佃煮の味噌汁

義父の料理を最初に食べたのは、姑の葬儀の翌朝だと思います。
味噌汁が作ってあったのですが、これに佃煮がぶちこんでありもちろん大層不味かったのでした。

他の家族は義父の作ったものは食べません。
おばあちゃん(義父のお母さん)は無理矢理食べさせられている事がありますが、大体拒否しています。

でも義父本人は「オレは料理が作れる」と得意気。
この家の男は代々料理が好きなのだそうです。
本家の伯父様等は年に数回近所の人を招いて手料理を振る舞ってくれますが、下手なプロ以上です。
でも義父は伯父様のようにきちんと基礎から料理を学んだ節はなく、全くの我流。
味噌汁には目に入ったものを適当に投入。
せっかくの堀り立て筍を下拵えなく醤油だけで煮て真っ黒にする。
油揚を醤油に漬けっぱなしにして(下呂の飲み屋じゃこうしてると言い張る)腐らせる。
トンカツ用の肉を醤油(もう、嫌だ)と大量の砂糖で煮て気持ち悪い料理に。
これがまず対立のきっかけでした。